ここ数年のIoTや機械学習、RPA(ロボティクス・オートメーション・プロセス)台頭に加え、2020年には日本国内においても5Gサービス開始が予定されており、デジタル技術の進化は不断に進んでいます。
こうしたデジタル技術の活用はIT業界に限らず、様々な分野に多くの機会や新たな可能性をもたらしています。例えば、これまでもあった民泊や配車サービスなどのシェアリング・エコノミーは、ITの発達と普及でその市場規模を急速に拡大しました。また、AIによる乳がんの判定精度が専門家を上回るといった記事も公表されており、我々の日常とITはますます不可分になってきています。
出典:「平成30年版情報通信白書」(総務省)
そのため、企業のリーダーには、自社ビジネスとデジタル技術の融合、すなわちデジタルトランスフォーメーション (DX) の推進と、そこから生じるビジネスイノベーションの加速、収益の拡大が求められています。当社が国内企業を対象に実施した調査では、24%の企業がDXを導入済みとしています。
それでは、諸外国と比べ、DX普及における日本組織の取り組み状況は十分と言えるのでしょうか。いくつかの調査結果から考察してみたいと思います。
ITを使った経営戦略の立案や投資計画の策定に関する責任者として CIO(最高情報責任者、Chief Information Officer) や CDO(最高デジタル責任者、Chief Digital Officer)を設置する企業が増えてきています。これは企業リーダーが経営課題としてIT やデジタルに組織的に取り組んでいることを示す指標と考えられます。総務省の調査によると、日本では 11.2% の企業がCIO を設置済みとなっています。これは英国(44.4%)、米国(36.2%)、ドイツ(35.6%) と比べて際立った低い数値となっています。
出典:総務省「ICTによるイノベーションと新たなエコノミー形成に関する調査研究」(平成30年)
次に取り上げるのはスイスのビジネススクール IMD(国際経営開発研究所)が発表している デジタル競争力ランキングになります。これは人材や資金、技術基盤など51の異なる指標から算出される各国のデジタル分野における競争力をランキング形式で毎年発表しているものになります。昨年発表された2019年版では、トップの米国、15位の英国、17位のドイツ、そして日本は23位に位置づけられています。
比較的新しい技術であるクラウドの導入に関しても興味深い調査結果があります。パブリッククラウドサービスがIT支出に占める割合とその成長率から各国のクラウド導入状況を分析したGartner社の国別分析調査において、トップを走る米国、それを追う英国、遅れるドイツについで、日本はクラウド導入に消極的なグループとして位置づけられ「米国から7年もしくはそれ以上遅れている」と分析されています。
今回紹介した3つの異なる調査結果からは、デジタル技術を使ったビジネスの変革(DX)の観点で、残念ながら日本の立ち遅れが目立つ状況が見えてきました。総務省発行の「令和元年版情報通信白書」においても、日本のICT投資が停滞していることが浮き彫りになっています。しかしこれは逆にチャンスとも言えます。今後、DXを他社に先んじて積極的に推し進めることで、これまで以上の成長戦略を描くことが可能だからです。そのためには、何をおいても必要なのが以下の3点です。
デジタルビジネスにおいては、ビジネスの計画段階から法的観点も含めたセキュリティ要件の検討にはじまり、セキュリティを経営課題と捉えたうえで、ビジネスバリューチェーン全体を通じた一気通貫でのセキュリティの実現が不可欠です。
パロアルトネットワークスでは、これを実現する新しいセキュリティマネジメントフレームワーク「SMO: Security Management Office 」を独自に開発するとともに、当フレームワークの導入、運用を支援する「SMOイネーブルメントサービス」を提供しています。
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